電話が終わったのか、翔が戻ってきた。


「電話長引いちゃって」

「忙しいそうだね?」

「近いうちに大きな取引があってさ。たまには、ちゃんと仕事しないとな」


そんなことを言っているけど、さっきの輝の話を聞く以上、相当忙しいんだろう。


こうやって心配させないように気を使うところは、兄弟で似ている。


って、あたしもその兄妹か。


最初からちゃんと兄妹として、育って来れたらよかったのに、、、。


そしたらあんな想いをすることもなかったのかもしれない。


「で、なんの話してたんだよ」

「成功した人間の話?」

「なんだよ、それ」


2人の会話を聞き、ふと考える。