「店を手放すか。男を手放すか」

「どうして、あたしが」


翔の言葉に、母親は眉を顰める。


「安い話だろ。未来に押し付けた借金の額より」


翔の言葉に、あたし以外の3人があたしのことを見る。


「借金?」


相川さんは母親のこと見る。


「なんで、桜子さんの借金をこいつが払うんだよ」


そして、今まで一度も口を開かなかった隼人が言う。


「この人達に、話してなかったのかよ」


翔は知ってか知らずか、そう言う。


でも、翔のことだから前者の方だろう。


翔は知っていて、わざと隼人と相川さんの前でその話をしている。


母親の顔色が急に変わった。


そして、あたしのことを睨む。