~ 莉奈 ~


未来に言われ、あたし達はこの街を後にした。


車内では、誰も口を開かない。


翔も輝も、口を開こうとはしない。


車が1時間くらい走った頃、輝が口を開いた。


「何で、俺は未来の傍に居てやれないんだろうな」


その言葉に、自分のことじゃないのに胸が締め付けられた。


輝が言ったその言葉は、とても重いものだったから。


輝が未来のことを好きだったのは、学校の奴らだって気付くくらいだったと思う。


それに気付いていなかったのは、未来くらいだ。


2人は絶対に上手くいくって、あたしも思ってた。


だから2人が結ばれた時、未来と一緒に喜んだし、2人は運命の相手なんだって思った。