「あのハナって子、まだ指名も取れてないんだろ?」

「なんか、シュウさんやリョウさんも手妬いてるみたいだからな」

「枕の一つでもして、店の為に貢献しろってな」


その言葉に再び、歩みが止まる。


あたし達はそこまでして、売り上げにこだわらなければいけないのだろうか?


確かに店側としては、売り上げは欲しい。


それは、あたしだってわかる。


けど売り上げの為に枕までしないといけないの?


いつかあたしも、そうしなければと思う日が来るのだろうか?


そう思うと、この世界がとても怖いモノに思えた。


ただ遊ぶお金が欲しくて始めた子。


生活のために仕方なくって子。


みんな最初は目的とかがあって入ったこの世界。


でもお金を持ったことで欲が生まれ、高見を望む。


それがいつしか、抜け出せなくなって落ちていく。


お金は、人を狂わせる。