ハナちゃんはカナちゃんが寝ている姿を見て、ホッとする。


「カナ、ミライさんに迷惑掛けなかった?」

「ううん、凄く良い子だったよ」


ハナちゃんは荷物を降ろし、ソファに座る。


「お店どうだった?」

「いつもより、席に付かせて貰えたかな」

「そっか」

「「明日から夏祭りだから、客捕まえろ」ってオーナーに言われた」


隼人が女の子にそうやって声を掛けたことはない。


それは溝口店長の仕事だから。


なのに、ハナちゃんにはそれをした。


あたしも明日のために営業をしなければ。


「そっか。あたしもそろそろ帰るね」

「止まっていけば?」


そう言ってくれたが「また今度」と言い、ハナちゃんの家を出た。