「てか、なにこのスケッチブック。これって速川くんじゃなーい?」



「………っ!」



見られてしまった。
私が描いた速川くんの絵を。



「え、なにこれキモイんだけど」


「速川くん、かわいそ~」


「やめてよ、速川くんが汚れるじゃない!」



やめて……っ
その絵は誰にも見られたくなかった。


私と速川くんの秘密にしていたかったのに……っ



さすがに我慢できなくなって、涙が溢れた。



「う……っうぅ……っ」



「芽依……っ!」



ヤダ……もう逃げ出したいよ。



「どうする~?これ。捨てちゃう?」


「そうだね、速川くんもその方が嬉しいだろうしー」



女の子たちがスケッチブックからその絵をちぎって捨てようとしたときだった。



「おい、なにしてんだよ」