「今日はなに描くの?」 下駄箱に向かいながら、速川くんが私に問いかけた。 「えーっと、どうしようかな……」 なにも考えずに外に行ってるけど……どうしよう……。 「なにも決まってないの?」 「ま、まぁ……」 私ってばなんでこんなに計画性ないのかな……。 「じゃあさ、お願いがあるんだけど」 私の方に振り返って立ち止まる。 「ん?」 なにかな……? 「俺を……描いてくれない?」 「え!?」 お、俺って……速川くん!? 「あ、あの……っ」 「ダメ……かな?」 速川くんは首を傾げる。