鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

「アメリカ軍が独自に開発した、炭素やケイ素を主要な素材として自己複製するナノマシンの一種だ…体内に入ると増殖を繰り返しながら、約72時間かけて人体をディアボに作り替えてしまう。投与された者は自分でも知らないうちに、人間ではなくなっていくんだ」

「何てものを…」

小川が愕然とする。

このナノマシンを応用すれば、一般人をも戦闘に特化した超人兵士に改造する事も可能となる。

そしてこれらは、悪用されれば従来の生物兵器よりも効果のある兵器となりうる。

ナノマシンや人工ウイルスが要人暗殺等のテロに使用される懸念も高まる。

もしナノマシンが重大犯罪に使用された場合、ナノマシンはこれまでの検死方法では検出不可能である。

またナノマシンは犯行後体外に排泄されるようにプログラムすると予想され、凶器であるナノマシンは肉眼で確認できず、確認には高価な電子顕微鏡が必要な為(通常の病原体やウイルスと異なり、血液検査で判明しづらい場合も想定される)事件として立件する事も非常に困難になってくる。