鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

警備の兵を呼んだ所で、ここに到着する前に軍医は殺されてしまうだろう。

助かりたければ小川達に従うしかない。

「話してもらおうか…マットに何をした」

「…君達の察している通りだ」

軍医は言う。

「彼らのチョーク全員に投与したのは、人間の肉体を体内からディアボ化させるナノマシンだ」

「ナノマシン…?」

小川が眉を顰める。

ナノマシンとは、0.1nmから100nmサイズの機械装置を意味する概念。

ナノとは10-9を意味する接頭辞である為、原義では細菌や細胞よりもひとまわり小さいウイルス(10nmから100nm)サイズの機械といえる。