鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

闇から闇へ、死角から死角へ。

素早く移動して目的の建物へと近づく小川達。

マットの言う連隊本部の裏口に到着した所で、小川達は一旦身を隠して様子を窺った。

施錠してある扉がある。

『開けられますか?』

小暮の顔を見る小川。

『誰に言ってんだ、そこらの窃盗犯よりピッキングは得意だぜ?』

自慢していいのかどうか判断に苦しむ意思表示を見せて、小暮は容易く開錠した。

音を立てぬように、静かに扉を開ける。

中は暗い。

流石に夜間という事で、警備の兵士以外はいないのか。

『出動命令がなければ、レンジャーの隊員も就寝しているからな』

マットが小川達に伝えた。