鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

物陰に身を隠す小川達。

巡回する二人の兵士。

死角を隔てて、その距離僅か1メートル。

息を殺してやり過ごそうとするも、兵士達は小川達の気配に気付いているのか、何度も周辺をライトで照らしてなかなか通過しない。

『どうする?』

小川に指示を仰ぐ小暮。

しばらく様子を窺った後。

『マットは待機していろ。俺と小暮三等陸曹でやる』

小川は指示を送った。

物陰を、ゆっくりと回り込むように移動する小暮。

移動が完了した所で。

「!?」

突然闇の中から小川が飛び出す!

「っっ!」

侵入者の出現に、素早く銃を構えようとする巡回の兵士達。

しかしその内の一人を。

「!!!!」

物陰から背後に回り込んだ小暮が、口を塞ぎつつ首を絞めて失神させる!

まさか侵入者が二人とは思わなかったのか。

発砲もできず狼狽しているうちに。

「すまんな」

もう一人の兵士も小川に鳩尾を打たれ、昏倒してその場に倒れた。