「どういう事だ…?」

怪訝な顔をするマット。

「今、あんたがやったのは命令違反じゃないのか?戦術自衛隊の受けた命令は、ディアボの制圧じゃないのか?」

「その命令を遂行した場合、お前はこの場で射殺される事になる」

小川の言葉に、マットは口を噤んだ。

「…谷口と豊田から聞いた話を総合するに、マット・エヴァーズマンJr.二等軍曹…お前は只のディアボとは思えない。100パーセントお前の証言を信用する訳にはいかないが、調べてみる必要はある。それまで処理はしない」

「……」

小川の言葉に、マットは全身の力が抜けるのを感じる。

生き延びられたからではない。

「…もう少し早くアンタ達に遭遇できていれば…ステビンスも、スミスも、シュミッドもギャレンタインも…死なずに済んだかもしれないのに…」