鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

どう考えても、このアメリカ兵はディアボではない。

ディアボだとしても、こんな害意を持たない種は初めてだ。

「待ってて」

豊田が無線を手にして。

「待て!」

マットは再び銃口を向ける。

「仲間は呼ぶなと言った筈だ。俺にこれ以上味方を撃たせないでくれ」

「そうは言っても」

谷口がマットを見据える。

「今のお前の意見を聞き入れる者は殆どいない。少なくとも、外見はディアボだからな」

「……」

意気消沈し、銃口を下げるマット。

「俺達に任せてくれ。お前の悪いようにはしない」