そんな彼らに。

「す、すまない」

マットは詫びた。

「まさか女性だったなんて…辱めるつもりはなかったんだ、男だと思っていたから…牽制の為の銃剣での攻撃で…その…」

「……」

呆ける谷口と豊田。

ディアボの証たる真紅の瞳は、酷く狼狽して泳いでいた。

まるで初めて女性の肌を見てしまった、思春期の少年のようだ。

確かに見た目は若い。

谷口と同年代のアメリカ人男性…のように見える。

紅い眼は紛れもなくディアボ。

しかし、謝罪し、狼狽するディアボを見たのは初めての事だった。