「来るぞ」

階段を昇ってマット達のいる5階にまで到達しつつある戦術自衛隊の隊員達。

彼らを。

「オララララララッ!」

スミスが半身になって物陰から乗り出し、トリガーを引く!

発射された5.56ミリ弾は、隊員達の大腿部に命中!

足を撃たれた彼らは、階段を転がり落ちていった。

これでいい。

動けなくすれば、あちらに戦闘能力はなくなる。

何も殺すだけが手段ではない。

例え向こうが誤解しているとしても、防衛の為の戦闘だとしても、不必要に殺傷してしまえば後々の友軍関係に亀裂が生ずる。

今はこの程度に留める必要があった。