鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

尚も警戒しつつ地下を進むゴースト。

どうやら地下は留置場のようだった。

暗く不衛生な中に、幾つかの鉄格子の牢屋がある。

鼠が這いずり回るような中に、痩せこけて身動きさえ取れない捕虜が横たわっているのが見えた。

もう助けを求める声を出す気力さえないのだろう。

ゴーストの姿を見ても声を上げない。

まともに食事さえ与えられていないのかもしれない。

息絶えるのも時間の問題だろう。

酷い有り様だ。

見るに堪えず、ゴーストは目を逸らして先へと進む。