ディアボは、人間と全く同じ外見をしながら好戦的で高い身体能力を持つ生物兵器。

ベースとなった新種の生物の獰猛さと異常なまでの生命力を遺伝的に受け継いだ為、そういった特性を持つに至ったのだが、人間との外見上の区別の方法として、その瞳の色がある。

ディアボの瞳孔は極端なまでの真紅なのだ。

これによって交戦中でも相手がディアボか友軍かを見極め、同士討ちを防ぐというのが戦術自衛隊の考案した区別の方法なのだが。

「どういう事だ…」

窓ガラスに映る自分の瞳を見ながら、マットは愕然とした。

ブラウンの筈の自分の瞳が、今は不気味なまでに紅く輝いている。

目を擦りすぎて白目の部分が充血して赤くなるという経験は何度かあったが、瞳孔が赤くなるというのは初めての事だった。