自分達は正義だと考えていた。

信念を貫いて、それでもアメリカの戦争加担には大義があると信じて戦ってきた。

その信じていたアメリカそのものが、火種をばら撒いていたのかもしれない。

複雑な胸中のマット。

「誰だ」

まだ比較的冷静さを保ったまま、ジェフは問いかける。

「そのアメリカ軍の大物とは…」

「国防総省長官」

ゴーストは間髪入れずに即答した。

「ペンタゴンのっ?」

驚愕するマット。

アメリカ合衆国の国防・軍事を統合する官庁。

アメリカ軍の七武官組織のうち、沿岸警備隊・アメリカ公衆衛生局士官部隊・合衆国海洋大気局士官部隊を除く陸軍・海軍・空軍・海兵隊の四軍を傘下に収める軍の最高組織の長官が、テロリスト達に加担しているというのか。