徒歩でジープの轍を追跡する三人。

あまり車の往来がないのか、ジープの轍はくっきりと残っており、追跡は容易だった。

5キロほど歩いた所で。

「…あそこだな」

ゴーストは所持していた双眼鏡を覗く。

数キロ先に岩山があり、それを利用した砦のようなものが存在した。

1978年のアフガニスタン侵攻の際にソ連が使用していたと思われる軍事基地。

その基地を不法武装勢力がそのまま利用しているのだ。

ゴーストは注意深く双眼鏡で様子を探る。

ソ連がアフガニスタン侵攻の際に使用していた戦闘ヘリコプターMi-24や、逆にムジャーヒディーンがソ連のヘリ撃墜の為に使用していたスティンガーミサイルが見受けられる。

ソ連軍は大量の兵器を遺棄し、またアフガニスタン政府軍に供与した為、現在もそれを使用する不法武装勢力は数多いのだ。