男達は警戒するように視線を走らせる。

「おかしいな…人影が見えたと思ったんだが…」

「見間違いじゃないか?」

「いや、確かに見えたんだ。二、三人が歩いているのが…」

会話を交わす男達。

マット達はその会話を、聞き耳を立てて聞く。

「もしかしたら、拘束したあの女の仲間か?」

「ここまでわざわざ助けに来たってか?」

男の一人が笑い飛ばす。

「そんな訳あるか、ここはアフガニスタンだぜ?女一人助ける為に、国土の9割を掌握するターリバーンの支配地域にノコノコ来る奴なんているもんかよ」