砂埃を上げて走ってくる車。

旧式のジープだった。

オリーブドラブに塗られた、見るからに軍用然としたジープ。

乗っているのは現地の砂避けの衣に身を包み、バンダナやスカーフで顔を隠した男達だ。

手にしているのはAK系の自動小銃。

典型的な中東のテロリストの出で立ちだった。

彼らはジープから降り、周囲を見回す。

マット達を探しているのだろうか。

「……」

ジェフがM4カービンを構え、いつでも撃てるように備えるが。

『待て』

ゴーストがハンドシグナルを送る。

『しばらく様子を見よう。下手に始末して仲間を呼ばれると面倒だ』