広大なアフガニスタンを、徒歩で進む三人。

見渡す限りの荒野、砂漠と言ってもいい。

身を隠せるような森林や密林は皆無で、背の低い草が生えている程度だ。

多少土地そのものの起伏はあるが、高い位置からだと簡単に敵に発見される恐れがある。

「狙撃が怖い所だな。狙い撃ちにされると身を隠せる場所もない」

マットが言う。

「反射するものには気をつけろ。狙撃銃のスコープの反射光かもしれん」

ゴーストが先頭を歩きながら言った。

「…あんたは過去にもアフガンに来た事が?」

ジェフが問いかける。

「ああ…2001年のアフガニスタン紛争の時にな…紛争といっても、アメリカが主導する有志連合諸国の一方的な戦いだったが」

ゴーストは振り向きもせずに呟いた。