大型ヘリでニューヨーク湾から離脱するマット達。

敵の司令艦であるオスカー型を沈黙させた事で、敵部隊は総崩れとなった。

いまだニューヨークの各所で火の手や爆発は上がるものの、後は掃討戦となるだろう。

「恐らくステビンスが、この敵部隊の司令官だったんだろう…頭を失えば、後は散発的な攻撃しか出来ない」

ジェフが言う。

「……」

マットの表情は浮かなかった。

当然だ。

死んだと思っていた親友が生きて目の前に現れた時、どんなに嬉しかった事か。

しかし現れた彼は、マットの知っている親友ではなかった。

いや、マットの知っている親友の姿こそが偽りのものだったのか。

今となっては分からない。

テロリストか、戦友か。

ステビンスの素顔がどちらだったのか、真相は既にニューヨーク湾の底だ。