そのミサイルの音を耳にして、マットの朦朧とする頭に一つの『悪あがき』が思いついた。

彼は首を絞めるステビンスのタクティカルベストを摑み。

「なっ?」

寝返りを打つ要領で、ステビンスを横に引き倒す!

最早抵抗も出来まいと油断していたステビンスは、勢いで甲板から転げ落ち。

「!?」

潜水艦の船体にある『穴』に落ちる。

潜水艦側面にある穴。

それはP-700グラニート対艦ミサイルの発射口!

「しまっ…!」

ステビンスがその事に気付いて慌てるも、時既に遅く。