強烈に後頭部を叩きつけられ、脳震盪で気が遠くなる。

ステビンスの絞首による頚動脈の圧迫で、意識が遠のく。

銃弾を頭に何発撃ち込んでも意に介さないステビンスは、確かに人類を超越した存在なのかもしれない。

「マット!」

倒れたまま叫ぶジェフの声さえ、遠く聞こえる。

身体能力はステビンスの方が遥かに上。

絞め上げる両手の握力は、とても人間のものではない。

「まだ意識はあるか?そろそろ眠りたくなってきたんじゃないか?マット」

嘲笑うステビンスの言葉さえ、聞こえなくなってきた。

潜水艦から発射されるP-700グラニート対艦ミサイルの音が、辛うじて耳に入る程度…。