「言葉は選んで下さい、サンダース一等軍曹」

ステビンスは優越感に浸って笑う。

「化け物じゃない、『人間を超越した存在』です、『人類を超えた存在』です…俺は貴方達よりも上等な種なんですよ、サンダース一等軍曹」

両手を広げ、まるで神でも気取るかのように、ステビンスは語る。

「何が人類を超えた存在だ」

マットはステビンスを睨んだ。

「ナノマシンで肉体改造しただけだろう…肝心な精神はケダモノ以下だ…戦争やテロで私腹を肥やす外道じゃないか」

「戦争やテロで私腹を肥やして何が悪い?」

マットに向き直り、ステビンスはさも当然の如く言った。

「戦争経済という言葉がある…戦争をする事で兵器の需要が増し、PMSCs(民間軍事会社)がコントラクターを戦地に派遣する事で兵士が雇用されるようになり、戦争が激化する事で新たな技術が生まれ、その技術が一般社会に転用される。戦争が世界を発展させ、戦争が世界の経済を支える。戦争なくして人類の向上は有り得ないんだ。戦争は悪ではない、戦争はビジネスなんだ」