鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

つまりマット達から発砲しなければ、戦術自衛隊も撃っては来ない筈。

「銃撃戦になる事はない、落ち着いて様子を見ろ」

マットが各隊員に指示を出す。

頷く隊員達。

しかしそんな中。

「おい!おぉいっ!」

不用意に窓から顔を覗かせる者がいた。

まだ実戦経験の浅い、三等軍曹のギャレンタイン。

彼は窓から声を上げて戦術自衛隊に呼びかける。

「止せ!俺達は武器密売組織じゃない!テロ対策部隊だ!アメリカ陸軍だ!」

「馬鹿、頭を引っ込めろギャレンタイン!」

マットが慌ててギャレンタインを室内に引き摺り込もうとするよりも早く。