鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)

「適応検査?」

マットが訝しげに言う。

マットはそんな検査は受けていない。

恐らくステビンス以外の兵士達も。

「マット達は本当にナノマシンの実験体だったが、俺は違う…あの任務の前に、軍医からナノマシンの事も自分の適応も説明を受けていた」

「まさかお前…」

ジェフがステビンスを睨む。

「勘がいいですね、サンダース一等軍曹」

ステビンスはニヤリと笑った。

「俺もあの軍医と同じ…アメリカ本国を襲った組織の一員であり、ナノマシンをばら撒いた元凶の一人だ」

「嘘だろ…」

愕然とするマット。

親友だと思っていた男が、実はテロリストの一員だったというのだ。