艦から離れていくゾディアック。

「相変わらず付き合いがいいな、マット。お前は昔からいい奴だったよ」

ステビンスは笑いながら言う。

黒のBDU(Battle Dress Uniform 戦闘服の事)の上にタクティカルベストを着用したステビンス。

レンジャーの装備を身につけていないだけで、彼はマットの知っている友とは別人のように見えた。

「ステビンス…お前は死んだんじゃなかったのか」

「死んださ、人間としてはな」

マットの言葉を、ステビンスは鼻で笑う。

「体内に投与されたナノマシンが極端に適応してな…俺の体はお前やギャレンタイン、スミス、シュミッドよりも早い速度でディアボ化したんだ。しかも適応しすぎたお陰で、人間としての理性を失う事なく、通常のディアボ以上に強靭な肉体を得た。少々撃たれた程度じゃ死なないほどにな」

両手を広げ、誇らしげに語るステビンス。

「投与前の適応検査の結果通りだった。俺は選ばれた人間だったんだ」