「止せ、放っておけマット!」

ゾディアックから谷口が叫ぶ。

「ここに残っていたらミサイルの爆発に巻き込まれるかもしれない!それにこの潜水艦もじきに沈む!」

そんな説得も。

「……」

マットには通じない。

彼は振り向く事すらせず、目の前の親友と対峙する。

「サンダース一等軍曹も脱出して下さい」

マットが横目でジェフを見るが。

「生憎と俺はお前のバディなんでな…置いてはいけない」

並び立つジェフ。

二人の決意は固かった。

「…マット、ジェフ」

小川が声をかける。

「俺達はこのまま離脱し、回収ヘリに収容された後、五分後にもう一度この艦の上空に接近する…それが最後のチャンスだ」

「……」

小川の言葉に、マットはただ頷いた。