ニューヨーク湾の海底は、艦の残骸や兵士の遺体が浮遊している濃密な空間と化していた。

所々には、敵部隊の仕掛けたものであろう機雷も見受けられる。

「機雷に注意しろ。接触すればSDVでは一溜まりもない」

小川が言う。

SEALsに借り受けたSDVだ。

出来る事なら無傷で返却したい。

「しかし、酷い有り様だな…」

水中を漂う遺体を見ながらマットが呟く。

水面を見上げれば、幾つもの艦の船底が見える。

これ程の数の艦を、敵部隊はどこで入手したのか。

オスカー型原子力潜水艦と同様、シージャックして鹵獲したものなのか。

或いは武器商人のような組織から提供されたものなのか。