「見えてきたぞ!」

放棄された車両の陰から、前方を見ながらジェフが叫ぶ。

ディアボとアメリカ軍が入り乱れて銃撃戦を行う中、証券取引所の建物が視界に入る。

M16A2の空弾倉をリリースし、新しい弾倉をフリッツヘルメットに二度三度軽くぶつけてからリロード。

マットは牽制の射撃をしながら、先行しているジェフのもとへと駆け寄った。

「ディアボの抵抗が激しい。ボディアーマーにセラミックプレートは入れてるか?」

ディアボ達から視線を外す事なく、ジェフが言う。

レンジャーやデルタの使用しているボディアーマーには、小銃弾を阻止可能な酸化アルミニウムセラミックプレートが入れられるようになっている。

自分のチョークが全滅した苦い経験から、マットはセラミックプレートを必ず入れるようにしていた。

無論、ジェフもだ。