マットの乗っていたハンヴィーのすぐ近くに落下する残骸。

轟音と火の粉を撒き散らしながら砕け散る。

まだ現実味がない。

悪い夢でも見ているようだ。

これが本当に、ニューヨークで起きている事なのか?

「マット!」

ジェフが手にしたM4カービンのセイフティ(安全装置)を解除しながら言う。

「スティール大尉が前方で部隊を率いて敵を足止めしている。武装したディアボの集団だそうだ。俺達はスティール大尉が敵を引き付けている隙に証券取引所に突入、ジャマーを破壊する!」

「了解です!」

「よし行くぞ!」

ジェフが飛び交う銃弾の中を走り出す。

現実味があろうとなかろうと、関係なかった。

マットがどう思おうと、これはリアルな戦場だった。