マットの警告で、咄嗟にハンヴィーをバックさせようとするものの、回避は間に合わない。

至近距離で爆発したRPGは、ハンヴィーの車体を爆風で横転させる!

グルリと回転する視界。

直後、襲ってくる衝撃!

強かに体を打ちつけ、一瞬意識が途切れる。

何秒ほど気絶していたのか。

「ット…マット…マット!」

遠くから聞こえてくるような呼び声に少しずつ意識を取り戻す。

完全にクリアになった視界に飛び込んできたのは、ハンヴィーの窓からこちらを覗き込むジェフの姿だった。

「大丈夫か!」

「…はい!」

覚醒し、横倒れになったハンヴィーのドアを抉じ開けるマット。

見上げると、Mi-24ハインド強襲攻撃ヘリコプターの撃ったものだろうか、ミサイルが高層ビルの側面に直撃し、爆発と共に残骸が崩れ落ちる様子が目に飛び込んできた。