スティール大尉の乗るハンヴィーを先頭に、部隊はニューヨークの街中を進む。

既に前方では、爆発音と銃声が響いている。

いまだに信じ難い光景だ。

映画のワンシーンなのではないかとさえ思う。

それほどまでに現実味がなかった。

だって、アメリカだぞ?

いつだって世界のトップをひた走る、超大国。

本土にミサイルの一つも落とされた事のない、どんな時でも勝者であり続けたこの国が、ここまでの被害を蒙るなんて。

驕る訳ではないが、ジェフもマットも、祖国がここまでの甚大なダメージを受ける事など想像すらしていなかった。