ニューヨークの街のあちこちから黒煙が上がる。

装備を整えながら、ジェフ・サンダース一等軍曹はその様子を眺めていた。

酷い有り様だ。

誰がニューヨークの摩天楼の間を、F-15戦闘機が飛び交う光景なんて想像した?

そもそもアメリカ本国が攻撃を受けるなんて、誰も予想だにしなかった筈だ。

「おい、聞いているのか軍曹!」

突然怒鳴られ、ジェフは振り向く。

スキンヘッドの男…第75レンジャー連隊のスティール大尉が、こちらを睨んでいた。

「え、ええ、聞いています」

うるさい男だ、このハゲ坊主が。

内心舌を出しながら、ジェフは頷いた。