分隊の人数分のコーヒーを淹れ、全員が飲み終わる頃だった。

「!!?」

突然強烈な震動が、小川達の篭城する建物を襲う。

「何事だっ?」

壁際に立って外の様子を窺う小川。

外では、通りを挟んだ向こう側の建物の屋上にディアボ達が陣取っていた。

屋上に81ミリ迫撃砲を設置し、砲撃をしている。

迫撃砲は簡易な構造からなる火砲で、高い射角をとる事から砲弾は大きく湾曲した曲射弾道を描く。

低い命中精度や短い射程といった短所もあるが、軽量ながら大きな破壊力をもち、高い速射性や安価・短期間に製造できる点など多くの長所を有している。