その時だった。

「!」

建物の中で動く影。

見れば、RPG-7(ソ連の開発した携帯対戦車擲弾発射器で安価、簡便かつ効果的であるため途上国の軍隊やゲリラ、民兵が好んで使用する)を構えたディアボが潜んでいる!

「RPG!」

叫ぶ小川。

しかしダウンウォッシュのせいで聞こえる筈もない。

白い尾を引いて発射されたRPGは、ヘリの尾翼に直撃!

糸の切れた凧のように、ヘリは空中を踊る。

必死に機体を立て直そうとするものの、既に制御は失っている。

乗員を空中で振り落とし、尾翼から黒煙を上げ、ビルの屋上に激突し、激しく回転しながら。

ヘリは遂に、地上へと激突した。