やがて飛び立ったヘリはモガディシュ上空に差し掛かる。

「酷いな…」

眼下を見下ろした三浦が、思わず感想を口にする。

そこかしこで飛び交う銃弾。

炎上する車、爆発するロケット弾、政府軍とディアボが、通り一本隔てて殺し合いの銃撃戦をしている。

弾丸で建物の壁が削られ、爆発で地面の泥が抉られて撒き散らされ、銃撃の嵐の中を、まだ息のある兵士が倒れたまま放置されている。

助けようにも戦闘が激しすぎて負傷者に近づけない。

まるで地獄絵図だ。

ディアボの乗ったテクニカルの荷台に積まれたブローニングM2機関銃が、武装していない民間人を射殺している。

動く者であれば、兵士だろうが一般人だろうが見境ない。