パキスタン・スタジアム。

モガディシュから数キロ離れたこのスタジアムを前線基地として、ソマリア暫定連邦政府軍が集結している。

突然のモガディシュ市内のディアボ出現。

アル・シャバブなどのイスラム勢力との戦闘しか想定していなかった政府軍は、相当に混乱している。

小川分隊もまた、このスタジアムにいた。

「遅かったか…」

歯噛みするマット。

「現地イスラム勢力、アル・シャバブは輸送機に積まれた支援用の食糧に混入したナノマシンを経口から摂取した事でディアボ化したという情報が入っている」

谷口が言う。

「狡猾だな…明らかにナノマシンテロを目的としていたとしか思えない」

三浦が顔を顰めた。