「止むを得んな」

小川が右手に89式小銃、左手に9ミリ拳銃を握り締めた。

「俺が突撃して一気に突破口を開く。その隙に二人は基地を脱出しろ」

「待て小川、突撃は俺が…」

マットが危険な役を買って出ようとするが。

「お前は駄目だ」

小川が向き直る。

「お前は生き延びて、死んでいった仲間の敵討ちをしなければならない…違うか?」

「……!」

小川の言葉にマットは押し黙る。

「よし」

一度周囲の敵兵の配置を確認してから。

「続け!」

小川は建物の陰から飛び出した!