建物の陰から陰へ、移動する小川と小暮。

それを確認した上で、マットも移動する。

飛び交う銃弾が、マットのフリッツヘルメットを掠める。

身を低くして、足早に駆け抜けるマット。

小川達の潜んでいる物陰に隠れ、次の物陰を探す。

周囲は皆、基地内の警備の兵だ。

たった三人しかいない小川達では、移動するのも困難だった。

暗闇に潜んだ所で、監視塔のサーチライトで照らされる事ですぐに場所を特定されてしまう。

「こんな所でマゴマゴしてる暇はねぇってのによ」

舌打ちする小暮。

早くしないと、ソマリアに輸送されたナノマシンがばら撒かれてしまうかもしれない。