とはいえ、小川達の持ち込んだ銃火器にはサプレッサー(銃の発射音と閃光を軽減する為の筒状の装置、銃身の先端に取り付ける形で使用される)など取り付けられていない。

発砲すればすぐにその音で感づかれる。

予想通り、基地内の多くの兵士達が集まってきて攻撃を開始する。

「流石米軍の基地だな、行動が早いぜ」

建物の陰に身を隠しつつ、小暮が迎撃する。

その際も狙うのは、命に関わらない手足や武器に対する発砲のみ。

ヘッドショットなど以ての外だ。

「俺が牽制する!二人は進め!」

ここまで手を貸してもらった恩返しなのか。

マットがM16A2を乱射して弾幕を張り、小川と小暮の退路を切り開く。

相対しているのは、かつての仲間。

故に射殺などしたくはない。

「下手に正面に出ないでくれよ!」

祈るような気持ちで、マットは弾幕を張る。