医務室を出て、連隊本部の建物を脱出するとほぼ同時だった。

「!!」

フォートベニング基地に鳴り響く警報。

侵入時に小川達が気絶させて隠しておいた警備の兵士が発見されたのだろう。

基地は厳戒態勢に移行する。

「いたぞぉ!侵入者発見!」

小川達の背後で、基地警備の兵士が声を上げる。

小暮が振り向き様に。

「黙ってろ!」

手にしたM4カービンで兵士の両足を射撃!

兵士はその場に倒れ込む。

例え発見されても、敵兵は射殺しない。

繰り返すようだが、彼らはディアボではない。

そして小川達の潜入目的も、この基地の壊滅や破壊工作ではないのだ。

余計な殺傷は極力避けたかった。