遠い青空の君へ・・・~初恋~



~爽架said~

ふわっ

突然、ほのかにする甘い香りがした。
さっきまで電車の車輪の鉄の匂いしかしなかったのに・・・。
そして体が浮いているような感じ・・・・。
な・・・に・・・?
私はそっと目を開けた。
すると目の前には一人の男の子が慌てた様子で私の顔を覗き込んでいた。
その人はいつも空を見上げている人だった。

「良かった!お前!どっかケガしてないか・・・?」

っていうか何この体制!!
なんか抱きしめられてるんですけどっ!!
心の中ではそんな事を思っていても絶対に顔には出さない。
私は何にも言わずに顔を背けた。
いいから早く離してほしいんだけど・・・。

「離して」

「え?うわっゴメン・・・。」

慌ててその人の手は私の体から離した。
ちょっと顔赤くなってるし・・・。
ちょっと抱きしめただけで耳まで赤くなっている。
単純な人・・・。
服を少しはらってため息をつきながら立つ。
失敗した・・・。

「あ!ちょと待てよ」

「何」

「お前、さっき落ちたのわざとだろ。俺ずっと見てたんだぞっ!」

めんどくさ・・・・。
つーかみてんなよ。

「何。ストーカー?」

「違っ!!」

本当にストーカーっていう言葉を出したらすぐ慌てた。

「ま。ストーカーっていう事にしてあげてもいーよ。いっつも空を見ている人にそんな事するはずないもんね。じゃ」

もう行こうとしたら腕をがしっと掴まれた。
なんなの・・・。
横目でちらっと見たら目を物凄くきらっきらにしていた。

「なんで俺がいつも空見てたの知ってんの?俺、前の席なのに」

やば・・・余計な事良い過ぎた。

「うっさい。こっち見んな。ストーカー野郎」