参観日の日。
この日は私にとって一番嫌いな日。
他の子達はお母さんやお父さんが来てくれて、授業中も後ろを振り返ると大好きな親が居て、笑いあっている。
誰も来てくれない、親さえ居ない私一人を覗いてー・・・。

心をずっと閉ざし、その日から無駄に笑ったり感情を露にした事は無い。
全てが孤独な人生。
学校に行き、自分の席へ座ると友達が来る皆の席とは違って一人でずっと音楽を聴いているだけの私。
ねぇ。こんな人生を歩むことになるんだったらなんで私はこの世に生まれてきたのー?
別に生まれてきたってただ周りを不幸にするだけ。
生きている意味なんて何1つ無いじゃないー・・・。
別に今・・・死んでもいいんじゃないの・・・??

びゅぉぉぉぉぉぉ!

一瞬だけ激しい風がホームに吹く。
風に私の髪が横になびく。
そして耳を澄ますと聞こえる遠くから聞こえる電車の音。
死ぬなら今ー・・・。
あと1歩足を踏み出せば線路に落ちる。
電車の音を聞きながらゆっくりゆっくりタイミングを測る。
そして電車が普通に見えるぐらい来ると、1歩前に踏み出した。

「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「おい!誰か落ちたぞ!」

上のホームからそんなざわつきの声。
ほーら。
皆叫んで見てるだけで何もしてこないじゃない。
所詮。人間はそんなもんだよ・・・。

キキィィィィ・・・!

電車の車輪の鈍い音。
目の前で聞くと少し耳が痛くなる。
私はその音に合わせて目を閉じる。
これで人生の終わり・・・か・・・・。
なんか呆気ないなぁ・・・。