『佑っ!!』
朝とは思えないほど、声にはりがある。
朝からカラオケでもしたのかな…
なんて考えて話を流していると
流してはいけないような言葉が聞こえてきた。
『浩大がきたよーーーっ!』
ビクっw
『みのる!声でかいってっ!』
浩大というのは、佑の片想いの人。
一年生から同じクラスで
なぜかいつもとなりの席なんだ。
これを周りのひとは運命といっていじってくる。
『ごめん、ごめん。ってか、今日こそ、メアドきくんでしょ?がんば…』

ガラガラ…

扉があいた瞬間、私の周りから人がいなくなった。

『変態佑、おはよー』
『だからー、あたしは変態ぢゃないってばっ!』
なぜか私は浩大から変態と言われる。
『お前の事は、お見通しなんだよー。』
『なにゆってんのよっ!
ってか、浩大メアド…』
『ハッハッハー正義のヒーロー
浩大マンっ!なんてね
ん?いまお前なんかゆったか?』
『あー、んー、なきもないよw』
『そかそかww』

キーンコーンカーンコーン…

『ほらー、席につきなさいっ!』
担任の声だ。
みんな、いっせいに席につく。
『今からアンケートがあるから、
シャーペンだしてー。』
『っえー??今日、シャーペンもってき てねーw』
浩大が筆箱をもってきたことなど一回も見たことがない。
『佑、シャーペンw』
『ふんっ、やだーねー、べーw』
『よし、しょーがねぇー、これやるから かせっw』
浩大は、ノートをやぶり、
あたしのシャーペンをかってにとってなにか書き始めた。
『ほら、これで許せっ』
『なによこれ、こんなゴミっ』
『先生ー!藤川さんが俺のメアドをゴミとかゆってきまーす!』
(えっ?メ、メアド?)
佑は、裏を見て顔を真っ赤にさせていた。
『はぃ、はぃ、あんたたちまたうるさかったら、廊下に立たせるわよっ!』
『ごめんなぃー許してちょんまげー』
古い…
佑は、いやな予感がした。
その予感は、見事正解。
寒いギャグを言ったのは浩大なのに
なぜか私も廊下に立たされていた。
『あーもぉ!なんであたしまで…』
『ごめん、ごめん、
メアドやったんだからゆるせよな』
『ぅ…』
『お前、俺のメアドほしかったんだろ?』
『いやー、別に、欲しくないし。
あんなゴミー』
こうやって、強がるのがあたしだ。

ポンっ

『あー!』
『いらないんだろ?』
紙を取られてしまった。
浩大の身長は、168cm
佑の身長は148cm、佑がどんなに手をのばしても届かない。
『ごめんなさぃは?
メアドありがとは?』
浩大のS心は、女心をなぜかくすぐる。
『あーも、ごめんなさぃ。
メアドありがとーございましたー。』
『よしよし、えらいえらい』
まただ。
私は、妹と間違われているのかもしれない。と、何度も真剣に迷ったこともあった。
『あ、ご褒美にこれもやる。』
『つぎはなにょ…』
ため息をつきながら返事をしていると
浩大から唇をふさがれた。