まだ目が覚めてないのか。
覚束ない足取りで駅まで向かう。


頭はボンヤリしているくせに、一歩進むごとに鼓動が早くなってる気がする。


学校に着けば会えるんだ。……相沢くんに。


ついついほころんでしまう顔を必死の食い止める。
ふー、と深呼吸して駅まで急いだ。




(ま、間に合ったー!)


私が階段を登っている最中には、もう電車が来ていて焦った。

先程流れ出ていく人の波に押され、転んでぶつけた膝が痛い。



と、私は見覚えのある後ろ姿を見つけた。あ、あれは…!

すみません、すみません、と人混みを掻き分けながらその後ろ姿に近付く。間違っていたら少し恥ずかしいので、その人の顔をちら、と盗み見た。


こ、これは……!