「嘘だ!!」
「嘘じゃないよ、杏。」
兄さんはあたしにそう言った。
そして、あたしの肩に両手をおいた。
「お前が一番自分の事を分かっている。
殺した後お前はこう感じるはずだ。
“もっと…殺したい"ってね。」
たしかに…殺したい後感じる。
でも…そんなの嘘だ…。
「……」
「ほらね。だから杏は暗殺の仕事をやめれない。」
兄さんは勝ち誇った顔をしながらあたしに言った。
「だから、次の仕事もちゃんと殺らなきゃならない」
「……うん…」
あれ…
あたしなんで“うん"って言ったの!?
嫌って言わなきゃならないのに…
「よしっ、杏家の中に入ろう?
もうすぐ夜になるからね♪」
あっ…本当だ。
そらがオレンジ色に染まっている。
「うん…」
あたしは兄さんと二人で家の中に入っていった。