「たまには、庭に行ってみようかな…」
あたしは自分の部屋を出て、庭に向かった。
あたしの家には大きな木がある。
なんか、ひいおじいちゃんの時からあるらしい…
大きな木の下であたしは寝っ転がっている。
風がそよそよ吹いて気持ちいい……なんて事思った。
すると、あたしに近づいてくる人がいた。
「杏、ここで何をしてるの?」
「……母さん」
この着物姿の人はあたしの母さん。
あたしは……母さんの事が大嫌いだ。
あたしが小さい時、「この子はこの暗殺一家の恥よ!」とか「この子なんていらない!」って言われた。
それなのに…
今は、あたしの事を凄く大事にしてる。
そんな母さん、あたしは大嫌いだ。
「なに?
あたしになんか用があるの。」
あたしは母さんを睨んだ。
「もう、杏。母さんを睨まないでおくれ。
母さんは杏の事が心配なのよ」
と母さんは言うと、あたしに抱き着こうとしてきた。
ーーバシツ
あたしは母さんの手を叩いた。
「触んな」
「まぁ、杏は反抗期なのね」
ほんとに調子がいい奴だ。
昔はあたしの事散々ほったらかしにしといて…
こんなの……
あたしの親でもない!
「あっ!
そうだ、杏。母さんと一緒にお菓子食べない?」
「……」
あたしは母さんの言葉を無視して歩きさろうとした。
すると、母さんの近くにいた佐藤があたし近づいて来た。
「杏様! お母様が一緒にお菓子でも?と誘ってますが…」
「うるさい。あたしはあんな奴とお菓子は食わん!」
「そ、そうですか…」
佐藤はショボンとした。
…佐藤にはひど事、言ったな…。
後で、謝っとこ。
あたしは家の中に入って行った。

